私はこれまでに2回オランダへ行き、最先端の訪問看護を目の当たりにしました。
そこで感じたことは、言葉は通じなくても看護は同じ、心と心の通い合う瞬間には国境の壁はないということでした。
たとえ国籍や人種が違っても、笑顔や感謝には温かな気持ちを生み出すことができる、看護で最も大事なことは「Warm Heart」だと確信しました。
こぱんだ訪問看護ステーションは、「地域No.1ステーション」を合言葉に、福井の皆さまから選ばれ、愛されるステーションを目指し、利用者さま1人1人にいたわる気持ち、いつくしみの心を大切にします。
また決して看護の心は忘れずに、常に原点回帰を探求しながら、訪問看護が地域のインフラとなる日まで、絶えず挑戦し続けます。
私たちの夢、こぱんだが将来にわたって目指すのは、「地域No.1ステーション」です。
平成29年4月オープンするにあたり、これからどのようなステーションを目指していくかを自らに問い、利用者さま、地域の皆さま、そしてスタッフへの決意としました。
地域の皆さまから選んでいただくためには、他とは違う強い個性を持ったステーションでなくてはなりません。こぱんだの1番の強みとは、チームワークです。
それは、スタッフ間同士の相手を思いやる気持ちであったり、仲の良さであったり。こぱんだが強い地元愛を持ったステーションとしてさらにその精神を伸ばし、探求していくことが、この地元福井の皆さまから選ばれ、愛されるステーションになるという夢を実現させていくものだと考えています。
この夢を実現するのも、言わば人財の力です。スタッフ一人ひとりが成長し、一丸となって利用者さまのために結集することだと確信しています。
利用者満足度No.1だけでなく、スタッフ満足度No.1も目指すことこそが「利用者からもスタッフからも福井で1番選ばれ、愛されるステーション」という高い目標に向かい前進します。
ナイチンゲールは、19世紀の半ばに看護という職業を創設しましたが、その時代には、「看護師は女性なら誰でも出来る仕事」と簡単に考えられていました。しかしナイチンゲールは、看護という仕事は、怪我をした人や病気になった人に、単に薬を与えることではなく、その人の身体に宿る自然治癒力が発揮しやすいように、生活のあらゆる側面を通して援助し、その人の生命力に力を貸して生きる力を引き出すことであると訴えました。
現代の看護はこの点を忘れ、もっぱら医師の指示に基づく医療のみに焦点を当てて成長してきてしまいました。
高齢社会を迎え、同時に人とのつながりが希薄になりつつある社会にあっては、高度にして温かな全人的ケアがこれまで以上に求められています。 今こそ、全人的ケアを大事にした、心温かな医療を実現させなければなりません。
ナイチンゲールが看護に求めたものは、まさに現代への課題提起だったのです。
100年前にナイチンゲールは、「看護は新しく生まれた芸術であり科学である」と明言しました。
看護が芸術であるとは、看護師よって重ねられる関わりは、その一瞬一瞬の1回限りの関わり、1人1人に適したものであるという意味なのです。1回限りのその人にあった優れた関わりを生み出すためには、その陰では何百回、何千回という自問自答が必要とされます。
そしてもう一点、看護は優れた科学でもあります。
看護実践には必ず何らかの根拠が存在します。看護師の思いや感情だけでは仕事は成り立ちません。いつでも自らのうちに「なぜ?」「だから…」を繰り返し問いかけ、形にしていきます。看護の魅力は実はここに存在するのです。これまでの日本の看護は、その活動の場の大半を病院という施設に求めてきました。白衣を着てナースキャップを被り、治療処置に当る人という看護職のイメージは、病院看護師たちが作り上げたものなのです。
しかし、21世紀の看護は、その活動の場を大きく変換し、地域医療の担い手として進出し始めています。在宅で療養している方々へのケアにとって必要な視点は、“その人らしさ”“生活の個別性”を大切にするということです。
地域で看護職として働くためには、判断力や実践力において自律性が問われます。1人の人として、また専門職として、今後の訪問看護はまさに新しい時代の幕明けです。看護はアートとサイエンスのハーモニー。私たちこぱんだは看護が大好きで、本物の看護がやりたいと願う看護師が集まる、最高のクリエイター集団でありたい。そう、これまでもこれからも。私たちにも利用者さまにも、「看護が看護であるために」。